Enterキーの取り付け

今日は、Enterキーを取り付けるために、某企業に向かいました。
向かった先は、小さいビルの中に佇む一室。そこには、アパートみたいに多くの企業が立ち並んでいて、そこにありました。
ノックをすると一人の女性社員が出迎えてくれましたが、オフィス内にいたのは女性社員一人だけです。
行ったのは夜だったこともあったので、他の人は退社したのだと思います。

そんな中で持参した自分のパソコンを取り出して、あとはその人に任せました。
その人は、最初に裏にあるカバーのようなものを外してドライバーを持って作業に入りました。
その間、椅子に座って、その様子を見ていましたが、女性社員の表情が怖かったです。
話しかけたら、怒鳴り散らされそうな、そういうオーラが漂っていました。

しばらくして、「このEnterキー、他のキーより沈みこんだりしていましたか?」という質問が。
実は、Enterキーが取れてしまった原因が、他のキーより沈み込んでいる(位置が下がっている)なと思ったので、上げようとシャーペンで持ち上げようとしたら
パキンと取れてしまったわけですが、実際に沈み込んでいたのかどうかはよくわかりません。
わからないことだけを言うと、「たぶん、これこんなに沈み込んだりしていないと思うんですよ」という返答が。
そして、そのまま作業を再開しました。

やがて、その人は、今度はパソコンを横に倒して、Enterキーを取り付けに入りました。
デスクではなく、自分の体にパソコンを横に倒していたので、そのまま落としてしまわないか、かなり心配でした。
でも、そういうことはなく、元の位置に戻し、デスクに置いて、今度はEnterキーを何回か叩いていました。
感触を確かめているのでしょうが、その人は首をかしげながら、再びEnterキーを取り外しました。

取りつけ間違えたのではないかと思いながら、そのまましばらく待っていました。
「これ、ゴムが切れていると思いますよ」
唐突に、その人は言いました。
話によると、キーの内部には、小さなゴムとそれを覆うカバーがあるのですが、本来それは二つで一つ、つまり一体化しているのが普通のようです。
でも、自分のパソコンのEnterキーは、一つではなく二つに分かれているので、ゴムが切れているというわけです。
だから、キーを押すと普通はゴムの弾力で、元の位置に戻ってくるわけですが、ゴムが切れているため、元の位置に戻らずに沈み込んだままになっているようです。
そのため、Enterキーが押されたままになっている可能性があるということまで言っていました。

そういえば、思い当たる節があります。
Excelで文書を作っているときに、Enterを押したら、たまにEnterキーが二回押された状態になります。
Excel使ったことある人ならわかると思いますが、漢字変換とかでEnterを押したら普通はその場から動きませんが、
自分のパソコンは二回Enterを押した状態になるので、漢字変換を決定したつもりが、次のセルに移動してしまうという事態が起こるので、
前のセルまで戻すのが面倒くさいと思いながら、文書を作っていました。
それで、Enterキーがおかしいなと思って、Enterキーが他のキーより沈み込んでいたので、シャーペンで……というわけです。

そのことを言ってみたら、「ああ、ゴムのせいですね」という返答。
そして、「Enterキーを取り付けることはできますが、他のキーより沈み込んでしまうので、
ゴムの部分だけ取り替えたほうがいいと思うんですよ。それはメーカーに問い合わせるか、ジャンク品を探すかしてもらったほうが……」
どうやら、Enterキーは元に戻らないことがほぼ決定したようです。
「今回は気持ちよく行かなかったので、1050円で結構です」
普段より安く済んだことはよかったですが、Enterキーは戻りませんでした。

とりあえず、Enterキーを動かないように固定して、Wordで改行できる確認はしましたが、Enterキーは沈み込んだままです。
たぶん、使っている間にゴムが切れてしまったんだと思います。
「私たちも仕事柄、こういうことに触れ合っていますので、もし運良くジャンク品とかのゴムを見つけたらメールを送ろうと思います」
メーカーごとにゴムの大きさも違うので、キーごと取り替えるか、外付けのキーボードを使うか、買い換えるかしたほうがいいと付け加えていました。

さらに、「この機種で一番多い問題は電源なんですよ」ということまで言っていました。
話を聞いたところでは、CPUがすぐに熱を持ってしまう部品で作っているので、電源がすぐに落ちてしまうという問題が、この機種にはあるようです。
でも、そんなことは起きていませんが、フリーズすることはたまにあります。
あ、PhotoShopが強制終了する原因はもしかして……
可能性はありそうです。
思わぬところで、機種の問題点まで聞けてしまいました。
さすが、プロの企業なだけあって、豊富な知識があります。

「Enterキーは使うことはできますが、使い続けていると中の精密機械のところにまで影響を与える可能性もあるので、あまり触らないほうがいいと思います」
ゴムを見つけるまでは、Enterキーを使わないほうがいいかもしれないということのようです。

とりあえず、ゴムの問題をなんとかしようとメーカーに問い合わせたら、
「一度、本体をお預かりして見てみないことには……」と言っていました。
ゴムを単品で取り寄せられないか聞いてみましたが、「一度本体を見てみないことにはなんとも……」
どうやら、ゴムの単品取り寄せは無理のようです。
だから、あの人もジャンク品で探したほうがいいと言ったのかもしれません。
Enterキーは使うことができても、しばらくはテンキーを使うことが多いことになりそうです。