ISを読んでみました。

昨日、セブンアンドワイで注文した本を読んでみました。
六花チヨの「IS 〜男でも女でもない性〜」という本です。kissで連載されていたようですね。
簡単に言うと、半陰楊(両性具有)として生まれた人の苦悩が描かれています。

実際にそういう方がいることは、新井祥の「性別がない!?」で分かっていましたが、こちらのほうが深刻でした。
確率的に2000分の1ということは、日本人だけでも6万人ということですから、かなり多いです。

体は子宮と膣はあるのに卵巣はなく、代わりにあるのが精巣。陰核肥大で、小さいあれがあるようです。
逆にあれと金玉はあるのに、精巣はなく卵巣がある。
あるいは精巣と卵巣の両方があるというパターンがあるようです。
染色体検査では外見は男なのに、実際は女、逆に外見は女なのに染色体では男、あるいは両方の染色体が混じっているというのもあるようです。
だから、外見上は男として育てられ、思春期になると胸が出てきて、生理が起きるという状態になるようです。

そういう苦悩が描かれているわけですが、かなり考えさせられました。
1巻と2巻しか読んでいませんが、泣けてきました。
こういうのは他人事ではないですからね。将来、自分の子供もそうなる可能性もありますし。
もしかしたら、自分も知らないだけで染色体検査をしたら、実はこの第三の性ではないかという可能性もありますし。

でも、こういう人がいるということは、日本だけでなく世界中でも、あまり知られていないのが実情のようです。
なぜかというと、今の社会は男か女という社会なので、どちらの性かわからなくても、無理矢理どちらかにいれてひたすら隠し通すということをやってきたからです。
親としても、男と女どちらにして育てればいいのかというのがありますし、本人も体と心の性が一致しない場合もあるということです。
ホルモン治療をやる場合もあるようですが、その場合も男性ホルモン、女性ホルモンどちらを入れるかという問題もあります。
新井祥の場合は、30歳まで女性で過ごしましたが、今では男性ホルモン治療で男性として暮らしているようです。

昔は男は男らしく、女は女らしくという考えが今もありますが、そうじゃなかったらいじめられたり、社会からは気味悪がられたりします。
だから、そういった問題とも向き合っていかなければならないんですね。
性同一性障害の場合は、法律ができて戸籍変更ができましたが、こういう場合は知られていなかったり、性同一性障害と誤解されたりでまだ法整備ができていないわけです。
最近では、医師会中心でガイドラインが策定されてきました。
そういう意味でも、いろいろと考えさせられます。

一応、はてなキーワードから補足

> 最近でも、外性器だけをみれば男性に近いが、染色体が女性型で卵巣もある子に過剰な男性ホルモンを投与し続けたり、
> 外性器で男女の区別がつかない子が染色体検査もされぬまま性別を決められた例などが報告されている。
> 医師が判断を誤ったことで、出産ができない体にされた人や、精神的な苦痛を抱えている人もいる。

> さらに、男性型と女性型の染色体が混在していたり、卵巣と精巣の両方があるなど、専門医でも判定の分かれる症例があり、家族や成長後の患者本人が医療に不信感を抱くケースも明らかになってきた。