ユートピアズ

アマゾンオークションで落札した商品が届きました。
うめさわしゅんの「ユートピアズ」です。
タイトル自体は知らないと思いますが、異色短篇集です。
ここには「世にも奇妙な物語」で使われた「ヘイトウィルス」の原作があります。
草磲剛が主演のですね。
ちなみに、放送終了後は、実況版で「すべてヘイトウィルスが悪いんだ!」というセリフが流行していました。

読んでみましたが、異色というだけあって、どれも「世にも奇妙な物語」で使えそうな内容ばかりです。
そして、「ヘイトウィルス」ですが、原作はドラマと内容も結末も違っています。
もちろん、「すべてヘイトウィルスが悪いんだ!」というセリフもありません。
同じなのは設定だけですね。
ここは脚本家の腕の見せ所でしょうか。
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ドラマでは、主役の妻子が殺されて、ヘイトウィルスに感染した犯人が逮捕されましたが、対面して許せるかとなって、「許せるわけねぇだろ!」となって終わっていましたが、原作は違います。
ヘイトウィルスを発見した上司と部下の会話で終わっています。
「父を殺し母を犯す男と一緒に、笑えるようになることが幸福と?」というセリフに、暴力と血に染まった人間らしい世界か平和と幸福に満ちた禍々しい世界のどちらを選ぶのか、と究極の二択を迫るところで終わっています。
現代社会に対する問いかけのようになっています。